前回はオーガ部を仕上げました。
今回は点検で見つかった不具合「ベルトの劣化」です。
点検パックにはベルトの張り調整が含まれていますが、調整では機能の回復が困難な場合は別途見積りを行いお客様了承の上交換作業を行います。
ベルトの交換時期って意外と判断が難しいんです。
今回のベルトは亀裂もさることながら、「ハリ」が無いんです((((((ノ゚⊿゚)ノ
まるで輪ゴムのように「ポヨポヨ」。
中型機に多いんですが、「何か飛ばない」って機体のベルトを外すと「ポヨポヨ」になってるんです。
見た目にそれほど摩耗して無くても弱ってる事が多々あります。
今回は発電機のベルトも合わせ3本交換です。
(発電機のベルトが滑ったり、切れたりすると中型ハイブリッド機は走行しなくなります
そんな時はインジケータのオレンジランプが点滅してるはずです)
電磁クラッチの配線やダンパーの金具を外したらテンショナーを取り外します。
(これが邪魔でベルトが外れません)
これがオーガベルトテンショナー(ノ゚ο゚)ノ
こいつで常にベルトを張ってます。
第一世代ハイブリッド機(HS1390IとかのMが付かない機種)はこのテンショナーが痛みやすいんで特に注意して下さい。
アームが左右にグラグラ振れる様になります。
ベルトとテンショナーローラーが正しい角度で当らなくなって上手にベルトが張れなくなります。
(交換時はHSM用の部品に交換です)
この機体は新車時に給油してあるので全然問題無し!
ベルトを交換したらテンショナーローラーとベルトが並行になる様に調整してロックナットを締めます。
( 適当に着けちゃダメですヽ(`Д´)ノ ココ重要!)
HSMシリーズはテンショナーからスタッドボルトが出てナットで固定します。
旧型はテンショナーをボルトで固定する構造です。
(HSM用の部品に全部交換する事で強化出来るんです)
テンショナーは写真の長いバネで引っ張ってます。
調整はバネの 「 ( 」 と 「 ) 」 の内側の距離を160mmに調整します。
このほか、パックメニューの各部の調整、給油やエンジンオイルの交換を行います。
↑は重要な調整部分、スクレーパーとスキッドです。
オーガと地面の距離を規制する重要パーツです。
ここのメンテナンスが悪いと高価なオーガを早期摩耗させてしまいます。
この機種の調整値は
オーガと地面の隙間 8~12mm
スクレーパーと地面の隙間 3~7mm
除雪機の燃料タンクは結露や降雪中の給油などで水が溜まっている事が有ります。
長期間放っておくとタンクの底が錆るんです。
錆る部分にはキャブレターへつながる細い筒があります、錆びたら大変(ノ゚ο゚)ノ
燃料がキャブに行かなくなっちゃいます。
酷い時にはタンクに穴が開くんです (_ _。)
ココまでやったらエンジン調整!
アイドリング回転と最高回転を調整します。
このエンジンは 3,600rpmが規定値、入庫時は3,480rpmでした。
チョッと馬力ダウンしてますよ。
新車でもメーカー出荷時は低めになっている事が多くて、それもバラバラ。
規定値の250rpmダウンなんて機体もあります。
単純計算で出力7%ダウン ((((((ノ゚⊿゚)ノ
なんか損した気分になりますよね。
今回の整備費用は
①除雪機点検パック料金 ¥21,000
②ベルト交換(部品代含む) ¥13,320
合計金額 ¥34,320
12月まで7週間しかありません。
「除雪機点検パック」で本来の能力を取り戻してみてはいかがです?